2026年11月2日、日本の災害対策の司令塔となる「防災庁」が正式に発足します。これに伴い、細野豪志防災担当大臣から自治体・企業・国民に向けて「最低3日分、できれば1週間分」の備蓄を求める緊急要請が発信されました。
これを受け、多くの企業・総務担当者から「うちの会社は法的に何をどこまで準備すべきなのか?」「1週間分なんてオフィスに入り切らない」という声が上がっています。しかし、現場で最も見落とされている致命的な問いは別にあります。
東京都の「帰宅困難者対策条例」では従業員向けの3日分(72時間)の備蓄努力義務が定められていますが、今回の国の要請は南海トラフ巨大地震や首都直下地震の広域複合被災を想定した「1週間」への引き上げ要請です。
法律上、直ちに民間に罰則付き義務が課されるわけではありません。しかし、企業には労働契約法第5条に基づく「安全配慮義務」が存在します。災害時に社内待機を命じながら、備蓄不足や劣悪な衛生環境で社員の健康被害が生じた場合、企業側が法的責任や損害賠償を問われる判例が積み上がっています。
多くの企業が「防災倉庫に水と乾パンを入れたから安心」と錯覚しています。しかし大規模災害時、オフィスは以下の4大インフラ断絶に直面します。
断水や配管破損時、オフィスの水洗トイレに水を流すことは厳禁です(下の階への汚水逆流・漏水事故につながるため)。水やアルファ米があっても、トイレが使えなければ人間は数時間で限界を迎えます。
「1フロアに非常用トイレが200回分だけ」「使用済み凝固袋の密封・一時保管場所が決まっていない」というオフィスでは、発災から半日でフロア全体に悪臭と衛生危機が充満します。
高層オフィスや密閉型ビルでは、停電と同時に空調が停止し、夏場は室温が40℃近くに達し熱中症の危険が高まります。また、「お湯で戻すアルファ米」を備蓄していても、電気がなければ熱湯を作れず、冷水で60分待つことになります。経口補水液や塩分補給、カセットコンロなどの熱源計画が必須です。
安否確認システムを導入していても、社員のスマホや総務のPCの電源が切れてしまえば連絡手段は絶たれます。「総務課に小型のポータブル電源が1台あるだけ」では、100名を超える社員の充電ニーズを到底賄えません。
オフィスの保管スペースには限界があります。単純に今の備蓄を2倍・3倍に買い増すのは予算的にも物理的にも不可能です。
解決策は、日常使いの備品や什器を災害時仕様に切り替える「フェーズフリー備蓄」と、賞味期限切れによる一斉廃棄・数百万円の買い直し損失を防ぐ「ローリングストック(回転備蓄)」のハイブリッド運用です。
「賞味期限切れ間近の備蓄品が山積みになっている」「トイレの必要回数が計算されていない」「停電時の熱中症・電源対策が抜け落ちている」……。
現場のリアルな課題を15分のヒアリングで診断し、具体的な改善ステップを可視化する「チルそな!防災カルテ」をご活用ください。